temiのマップ作成前に確認しておきたいこと
マッピングを始める前に、ホームベースの設置場所や走行ルート、周囲の環境を確認しておきましょう。事前に確認したい4つのポイントを紹介します。
1ホームベースの位置を決めて固定する
マップ作成前に、最初に行いたいのがホームベースの設置です。
ホームベースはtemiの充電ステーションであり、マップ作成や運用においても重要な基準となります。
ホームベースの位置が変わると、作成したマップと実際の位置関係にズレが生じる原因になります。そのため、マッピングを開始する前に設置場所を決め、運用開始後も動かさないようにしましょう。
ホームベースは固い床の上で、壁に近い場所に設置します。左右に50cm以上、前面に120cm以上のスペースを空け、階段・急な傾斜・棚・斜面からは180cm以上離してください。鏡のように光を反射する物を近くに置くと、ドッキングセンサーが誤作動する場合があります。
2temiが移動できるスペースを確保する
マップを作成する前に、temiが無理なく移動できるスペースを確保します。通路上に一時的に置かれている荷物や椅子などがある場合は、可能な範囲で移動させておきましょう。
弊社が複数の現場で検証した結果、障害物と障害物の間は80cm以上空けることを推奨しています。80cm未満になると、temiの走行や障害物の回避などの挙動が不安定になる場合があります。
また、マップ作成時だけ特別な環境にするのではなく、普段の運用に近い状態で作成することも重要です。
3直射日光を避け、室内照明で運用する
temiのマップ作成や走行時は、周囲の明るさだけでなく、光の当たり方にも注意が必要です。
temiはLiDARなどのセンサーを使用して、自分の位置や周囲の障害物を検知しています。直射日光や強い光が当たる環境では、検知が不安定になり、走行や現在位置の認識に影響する場合があります。
窓から強い日差しが入る場所では、カーテンやブラインドを閉め、室内照明を使用することが望ましいです。
4ガラスや鏡、段差がある場所を確認する
施設によっては、大きなガラス面や鏡、階段、段差などが存在します。ガラスや鏡はセンサーによる周囲の認識に影響する場合があるため、移動ルートの近くにある場合は事前に確認しましょう。
temiは平坦な床面で最適に動作します。乗り越えられる段差の高さは0.5cm程度までとなり、傾斜が3°を超える場所では走行や位置認識が不安定になる可能性があります。
階段や大きな段差など、進入させたくない場所についても、あらかじめ移動範囲を決めておくことが重要です。
マッピング前のチェックリスト
temiのマップを作成する基本手順
環境の準備ができたら、実際にマップを作成していきます。
マッピングは、temiの追従機能を使用し、ゆっくりと施設内を移動しながら行ってください。
マッピングを開始する
- temi 本体のホーム画面
- ホームスクリーンボタン(右上)
- 設定
- マップ編集
temi本体の電源を入れ(初めて使用する場合はアクティベーションが必要です。手順は本体の使い方 ガイド2)、ホーム画面が表示されたら、マップ作成に関する設定画面を開きます。画面右上のホームスクリーンボタンをタップし、「設定」>「マップ編集」の順にタップすると、マップ編集画面が表示されます。
temi 本体の「設定」画面。「マップ編集」をタップします。 この時点では、画面上にtemiの現在位置とホームベース(充電ステーション)の位置のみが表示されています。これでマッピングの準備は完了です。
マッピング開始時のマップ編集画面。①「追従する」で追従モードの開始・終了、②「マップオプション」でマップの保存などを行います。③の位置に temi とホームベースだけが表示されています。 追従機能を使ってtemiを施設内で移動させる
マッピングを開始したら、temiの追従機能を使用して、マップを作成したいエリアを巡回します。このとき、急いで移動したり、急旋回したりせず、ゆっくりと一定の速度で進むことがポイントです。
temi の各部の名称。インタラクションボタンは頭の上部にあります。軽く押すと追従モードが始まり、もう一度押すと追従モードが終了します。マップ編集画面左の「追従する」ボタンでも切り替えられます。出典:temi V3 ユーザーマニュアル(V138) ○追従機能でゆっくり
推奨する方法です。
△手で押して移動
タイヤを浮かせず、ゆっくり押す場合のみ。
×持ち上げて移動
位置がズレるため避けてください。
temiを手で押してもマッピングはできますが、タイヤが浮いたり、移動速度が速すぎたりすると、正確にマップを作成できない場合があります。そのため、できるだけ追従機能を使用してマッピングを行ってください。
また、マッピング中にtemiを持ち上げて移動させることは避けてください。temiはタイヤの回転なども利用して移動距離を把握しているため、持ち上げることで位置にズレが生じる可能性があります。
マッピング中の画面。temi が移動した範囲の壁や障害物が、マップとして描かれていきます。 作成されたマップを確認する
必要な範囲を移動したら、追従機能を終了し、temiの画面に表示されたマップを確認します。実際の施設と比較しながら、壁や通路の形状が正しく反映されているか、不自然な箇所がないかを確認しましょう。
マップに大きなズレがある場合は、そのまま保存せず、再マッピングを検討してください。
temi 本体の画面に表示されたマップの例。出典:temi V3 ユーザーマニュアル(V138) マップを保存する
- マップオプション
- マップを保存
必要なエリアのマッピングが完了したら、作成したマップを保存します。「マップオプション」>「マップを保存」を選択すると、マップに名前を付けられます(名前は後から変更できます)。
マップ編集画面の「編集」と「マップオプション」のメニュー。マップオプションには、マップを保存、マップ名の編集、再マップ、マッピングを続ける、マップのバックアップ、ポジショニングを開始があります。出典:temi V3 ユーザーマニュアル(V138) 地点登録・仮想ウォール・経路の設定
マップを保存したら、temiを自律移動させるための設定を行います。各機能の詳しい操作手順は、temi センター使い方ガイドの「ガイド2:マップの編集」で解説しています。
- 地点の登録
- ホームベース、会議室、受付など、temiの目的地となる場所を登録します。
- 仮想ウォールの設定
- 階段や進入させたくないエリアなどに、マップ上で仮想的な壁を設定します。
- 経路の設定
- 必要に応じて、temiが通る経路を設定します。
temi センターのマップエディターでは、画面下部の「仮想ウォールの追加」「登録地点の追加」「経路の追加」から設定できます。
temi センターのマップエディター下部のツール。左から仮想ウォールの追加、登録地点の追加、経路の追加、消しゴム/復元する、ゾーン、ヘルプ。右端で送信先の temi を選んで「送信」します。 登録地点の追加。地点名、到着時の向き(オリエンテーション)、画面のチルト角度を入力して保存します。 仮想ウォールの例。赤い線が仮想ウォールです。一方通行に設定すると、temi は A 区域から B 区域へは移動できますが、逆方向には移動できません。 マップをバックアップする
作成したマップは、temi本体に保存されています。本体の不具合などに備えて、クラウド管理システム「temi センター」にもマップをバックアップしておきましょう。
temi本体で「マップを保存」を選び、マップに名前を付けて保存すると、続けて「マップをバックアップしますか?」と表示されます。ここでバックアップを選択すると、temi センターにマップが保存されます。temi センター側から操作する場合は、次の手順でも保存できます。
バックアップしたマップは、必要に応じてtemi本体へ再送信できるほか、複数のtemiで同じマップを共有する際にも活用できます。マッピングが完了したら、マップの保存とあわせてバックアップまで行っておくことをおすすめします。
temi センターのマップエディター左側。「マップのインポート」で temi のマップを読み込み、「マップの保存」で保存します。保存したマップは「保存されたマップ」に一覧表示されます。 - temi センターで、対象の temi の カスタマイズ › マップ を開きます。
- 画面左の マップのインポート で、temi 本体のマップを読み込みます。
- マップの保存 で、名前を付けて保存します。
- temi 本体へ戻すときは、画面下部で temi を選んで 送信 を押します。
マップ作成でよくある失敗と対策
マップ作成中や運用開始後に、現在位置の認識や移動が不安定になることがあります。ここでは、現場で発生しやすいトラブルと対策を紹介します。
1マップがズレる・二重に描画される
- 症状
- マッピング中に壁や通路が二重に描画されたり、実際の施設と異なる形状になったりする。
- 主な原因
- 手押しによる移動、temiを持ち上げる操作などによる、位置認識のズレ。
- 対策
- マップに大きなズレが発生した場合は、追従機能を使用して再マッピングを行ってください。
2temiが現在位置を認識できなくなる
- 症状
- temiが一時的に現在位置を認識できなくなり、画面に「サーチ中」と表示される。
- 主な原因
- 周囲の障害物や通信の異常など、原因はさまざまです。直射日光によって、LiDARなどのセンサーによる検知が不安定になっている可能性もあります。
- 対策
- まず少し待ってみましょう。それでも改善しない場合は、障害物のない場所や、直射日光を避けられる場所へtemiを移動させ、現在位置を再認識できるか確認してください。
このときは手で移動させても構いませんが、本体を持ち上げず、ゆっくりと移動させてください。
3マップを再作成した方がよいケース
小さな変更があるたびに、マップ全体を作り直す(再マッピングを行う)必要はありません。
再マッピングを検討する
- ホームベースの位置を動かした、または電源を抜いた
- 壁や通路の位置が変わるような大規模なレイアウト変更
- 固定の障害物が新たに設置された
- マップのズレが大きい
再マッピングしなくてよい
- 小さな配置変更
- 仮想ウォールや経路の指定で対応できる変更
登録地点をそのまま残したい場合は、再マッピングを行う前に、仮想ウォールや経路の指定によって対応できないか検討してください。
作成済みのマップと同じ範囲内でレイアウトが変わった場合や、マップの範囲を広げたい場合は、「設定」>「マップ編集」>「マップオプション」>「マッピングを続ける」で、既存のマップに追加して作成できます。大きなマップでは処理がうまくいかない場合があるため、実行前に現在のマップをバックアップしておいてください(temi V3 ユーザーマニュアルより)。
作成したマップを運用するときの注意点
室内のレイアウト変更後はテスト走行を行う
店舗やオフィス、ショールームでは、展示物の入れ替えや模様替えなどによって、家具や棚の配置が変わることがあります。レイアウトを変更した際は、temiが目的地まで安全に移動できるか、テスト走行を行いましょう。
特に、新たに机や椅子を設置した場合は注意が必要です。鏡面素材を使用したものや、脚などが極端に細い机・椅子は、まれにtemiが障害物として認識できない場合があります。
テスト走行で衝突してしまう場合は、配置を見直すか、仮想ウォールを設定してtemiが近づかないようにすることを検討しましょう。
人通りが少ない時間帯にマッピングする
マップ作成中に人が頻繁に行き来すると、周囲の環境を正しく読み取りにくくなる場合があります。店舗やオフィスなどでは、可能な限り人通りの少ない時間帯にマッピングを行いましょう。
複数フロアで使用する場合はマップを適切に管理する
複数のフロアでtemiを利用する場合は、それぞれのフロアに合わせたマップ管理が必要です。フロアごとに作成したマップは、temi センターにバックアップしておくことで、必要に応じてtemi本体のマップを入れ替えることが可能です。
マップ名などを工夫し、どのマップがどのフロアに対応しているか分かるように管理しましょう。
マップの大きさと移動のさせ方
- 走行範囲
- ホームベースを中心に半径50m 以内を推奨します。マップが広すぎると、temi が経路を計算できなくなる場合があります。処理できる範囲は約10,000㎡ですが、できるだけ小さくまとめてください。
- 登録地点の数
- 200地点程度を推奨します。
- 長い距離の移動
- 一度に長い距離を移動させると計算の負荷が高くなります。途中に登録地点を置き、短い距離に区切って移動させると安定します。
登録地点と経路を設定するときのポイント
- 位置を正確に決めたい地点
- temi センターでも地点を登録できますが、位置や向きの細かい調整はできません。正確に設定したい地点は、temi 本体で、その場所に temi を連れて行って登録してください(本体の使い方 ガイド5)。地点には、向きと画面の角度もあわせて保存されます。
- 経路の効き方
- 経路は、temi が設定した線の上を走ったときに、線に沿って進むよう補正する機能です。経路に入る角度によっては補正されません。たとえば、経路に直角に近づいた場合、急に向きを変えて経路に乗ることはしません。
- マップの削除と再マップ
- 本体に保存できるマップは1つです。マップを削除する前や「再マップ」を実行する前には、必ず temi センターにバックアップしてください。
まとめ
temiを安定して自律移動させるためには、導入時のマップ作成が重要です。
まずはホームベースの位置を決めて固定し、走行ルートや周辺環境を整えましょう。マッピング時は追従機能を使用し、temiを持ち上げたり、急いで移動させたりしないことが大切です。
また、作成したマップはtemi センターにバックアップしておくことで、本体の不具合や複数台での運用にも備えられます。マップ作成後も施設内の環境に合わせて適切に管理し、安定した自律移動につなげましょう。
設定や運用でお困りの場合は
マップ作成や temi の設定について、お気軽に iPresence までお問い合わせください。